趣味とか呟きとか

趣味ブログ。端的に言うと自己顕示欲の置き場所。絵を上げたり、本の感想書いたり、長い呟きとか。

小説2

ここ2ヶ月近く更新しておらず流石にいかんなぁと思ったので以前書いた小説の続きをアップしてみる


僕の乗ったカプセルは最初と比べると高度は大分落ち、今度はビルの間を縫って進むようになった

"全く訳が分からないな‥‥"
外を流れるビル群を眺めながら溜息をつく

目が覚めたと思ったら注射器を打ち込まれ、問答無用に飛ばされているのだ。
幾ら何でもひどすぎやしないか
理不尽さにまた溜息が出てしまう

"…そういえば"
と呟く
あの部屋であなたの存在の意味はこれから決まりますとか言っていた。

ということはこれから向かう場所はそれに関係するのだろうか
大体管理というのは具体的に何を管理しているのだろうか。住民票?健康?お金?危機?

ピカピカした球体を乗せたビルや様々な広告掲示板を付けたビルが前から後ろにぐんぐんとおし流されていく

抽象的すぎる。
何を管理しているか全くわからない。
もしかすると人権かもな。等と考えている内に複数のチューブが合流し、大きな建物が目前に迫ってきた
チューブは建物内まで続いていて自分のカプセルも建物の中に吸い込まれる

中に入るとカプセルは勝手に動き、自分は殺風景な所に連れてこられた。
ここは駐車場のような場所だろうか、同じようなカプセルが周りに沢山停めてある。

カプセルはエレベーターの様な場所で止まった

通行の邪魔にならないだろうかと考えると

"ここから先はこのグラスの指示に従って下さい"
とダイアログが表示される

"グラス?"と呟くと
ベットの側面から箱のついた台がせり出てくる
恐る恐る箱に触れると蓋が開き、中にはメガネのようなものが入っていた

"これか"
手にとると重さはほとんど感じず、金属でできているようで少し冷たい
つけてみるとレンズにパッと画面が表示される

ダイアログには
"はじめまして、ここからは私が指示させていただきます"
と表示され、すぐに次のログに変わる

"ではまず靴下と靴を履き、ベットから降りてください"

ベットを包んでいた膜は収納され、ベットの下からは靴下と靴の入った箱が出てきた

言われるがままに靴下と靴を履きベットから降りる。

"ベットは?"
と尋ねると

"彼は決められた場所に移動し、貴方がまた乗り込む時にここに来ます"
と表示され、
"ではエレベーターに乗り込んでください"
と表示された

指示に従って、目の前の扉のあいているエレベーターに乗り込む

乗り込むと、パっと白い照明がつき、扉は閉まった。
そしてわずかに下に引っ張られる感覚があることから、この箱は静かに上昇しているのだとわかる。

その間にグラスには様々な情報が表示された
ベットがどういうものかとか通ってきたチューブは全長何キロかなどなど
どれも確かに興味深いものであるがなんというかこの都市や物の成り立ちや歴史といった根幹のようなものはわからなかった

わずかに上に引っ張られるのを感じて少しすると、チーンと緊張感のない音がなり、扉が開く。

外へ踏み出すと、前方には気品を感じさせる扉があり、それを開けると裁判を行うような場所が広がっていた

"答申席に着くように"
部屋のスピーカーから声が聞こえ、グラスには証言台らしき所に行くよう表示された。

部屋は静かで薄暗く、上質な木で出来ているものが多く見えることを考えると、古くからある、重要な場所なんだろうか

いそいそと歩いていき、席に着く。

答申席の前には大きなサーバーのような機械が置かれ、取り付けられたカメラは大きな目玉を思わせる

"では答申を始める。"
スピーカーは物々しくそう告げ、始まった